2022年8月19日
目次
オートメーションとは?
オートメーションとは、機械や機器がさまざまな作業を自動的に制御することです。人の手による作業には限界があり、「長い時間働けない」「ミスが生じる」などがあります。機械やAIに作業を任せることで人間の長時間労働を防ぎ、作業品質の均一化が可能です。
オートメーション化は、マーケティング以外にも製造現場や事務作業など幅広い業種や職種で進められています。
オートメーションの種類
オートメーションを実現する際は、AIやRPAを利用します。以下にそれぞれの特徴を解説します。
AIを使ったオートメーション
AI(人工知能)を使ったオートメーションでは、課題などに対して、さまざまな情報や判断基準を使って、AIが最適な解答や施策を導き出します。一方で、AIの導入当初は細かな設定が必要であり、データ量が少ないと精度が低くなるため注意が必要です。運用を進めるにつれてデータが蓄積されると、学習機能によって、自動化の精度が向上し、AIが非定型の業務をこなしやすくなります。
RPAを使ったオートメーション
RPAとは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略称で、事務作業などの定型業務を代行してくれます。AIと異なり、RPA自体に判断する能力は備わっていません。そのため、作業をオートメーション化する手順を入力する必要があります。入力した手順にもとづいて、24時間365日の稼働も可能です。
マーケティングのオートメーション化が進んでいる
企業のマーケティングにおいてもオートメーション化が進んでおり、「マーケティング・オートメーション(MA)」と呼ばれています。マーケティングのオートメーション化では、ツールやシステムを活用して、見込み顧客の発掘や管理、より多くの顧客に確度の高い情報を効率的に届けることが可能です。
こうした時代の変化から、DMやメルマガなどを一方的に知らせるアウトバウンドマーケティングから、相手の意図を汲み取り、有益な支援や情報を提供するインバウンドマーケティングが増えています。
マーケティングをオートメーション化するメリット
ここからは、マーケティングをオートメーション化するメリットをご紹介します。主なメリットは以下の4つです。
ブランド価値の向上
マーケティングのオートメーション化では、大衆を対象とするマス向け情報だけではなく、さまざまなチャネルを自由自在に使いこなすことができます。特にパーソナライズされた情報発信に強みがあり、人の作業では対応しきれない数の見込み顧客に、アプローチをすることが可能です。
また、セグメントを絞ることで、顧客に対して最適な情報を届けることができるため、高い満足感を得やすい傾向があります。その結果、顧客との関係性の構築やブランド価値の向上が実現します。
マーケティングプロセスの可視化
ツールなどを使って業務をオートメーション化すると、優先度の高い見込み顧客を判別し、結果的に生産性の向上が期待できます。見込み顧客にアプローチできると、新規顧客の獲得だけに頼らない収益プロセスの構築にもつながります。もちろん、オートメーション化によって業務の効率化も図れます。
以上のプロセスは、ツールの使用で可視化されて、成果と課題を明確にします。それにより、マーケティング施策を検討しやすくなるでしょう。
マーケティング施策の効果を検証できる
前項でも解説したように、マーケティングをオートメーション化することで、見込み顧客の行動の可視化が可能になります。さらに、データレポートからは、顧客の購買意欲や受注率などが分析できるため、マーケティング施策の立案に役立ちます。自社のマーケティング施策の効果を検証することで、予算の最適化にも活用することができます。
他部署との連携がしやすい
マーケティングをオートメーション化すると、マーケティング部門だけでなく、他部署との連携がしやすくなります。たとえば、マーケティング部門が収集した情報を営業部門に提供する際に、見込み顧客がスコア化されるなど、引き継ぎがスムーズになります。
自社でマーケティングをオートメーション化するにあたり、営業部門が使用する顧客管理システム(CRM)や営業支援システム(SFA)と連携すれば、顧客情報を過去にさかのぼって共有することができるため、営業活動にも有効利用できるでしょう。
マーケティングをオートメーション化する注意点
ここからは、マーケティングをオートメーション化する際の注意点を解説します。主な注意点は以下の5つです。
導入にはコストがかかる
マーケティングのオートメーション化では、当然ながらツールやシステムの導入が必要です。そのため、導入するにあたってさまざまな費用が発生します。初期費用やランニングコストだけでなく、運用担当者の人件費・教育費などがかかります。
ツールやシステムを選ぶときは、総合的なコストがどれくらいになるのか十分に検討してください。
効果を得るまで時間がかかる
マーケティングをオートメーション化するとはいえ、ツールやシステムによって自動化できる業務には限界があります。自動化できる部分が限られると、効果が得られるまでに時間がかかることがあります。
また、広告費で赤字が出ているなど、マーケティング施策で成果が得られていない場合は、そもそも現段階でツールが導入できないことも考えられます。どのような状況においても、オートメーション化で期待する効果を得られるわけではないため、注意が必要です。
運用に関わる人材の育成
マーケティングのオートメーション化で効果を得るには、運用を専任で行う担当者の配置も必要です。ツールやシステムのロジックを理解して、使いこなすことが重要であり、そのための人材確保と教育が求められます。
場合によっては、自社に適したツールを選ぶだけではなく、そのツールを使いこなせる人材の採用も必要でしょう。
コンテンツを作り続けてブラッシュアップする
マーケティングのオートメーション化で、見込み顧客を育成するには、ブログやSNSの投稿など、コンテンツマーケティングが重要です。コンテンツマーケティングでは、良質なコンテンツを発信し続けることがポイントになります。また、コンテンツの発信後も適宜ブラッシュアップを行って、内容を磨き上げることが大切です。
コンテンツマーケティングで成果を得るには、継続的な取り組みが前提となります。
見込み顧客のデータ化や既存システムとの連携
マーケティングのオートメーションツールを単体で活用しても、すぐに見込み顧客の獲得はできません。既存のツールやシステムとデータ連携を行うにあたっては、なにかとリソースを割く必要もあります。システムの導入時には人員と時間、期間に余裕をもって進めてください。
不明点がある場合は、ベンダーのサポートに問い合わせたり、コンサルティングサービスを利用しましょう。
マーケティングのオートメーション化の手順
マーケティングをオートメーション化する際は、以下の6つの手順に従って進めます。それぞれの内容をご紹介します。
マーケティングのゴールの設定
まずはゴールを設定してください。オートメーション化して得たい効果や成果が明確でなければ、具体的な施策が決まりません。自社の課題を分析して、「月間〇件のリード獲得」などの数値でゴールを明示しましょう。
マーケティングメンバーの選定
マーケティングメンバーは経営陣も含めて選定します。プロジェクトを成功させるには、特に学習意欲が高く、さまざまな部署との連携を円滑に行える人材が適しています。人材不足を理由に、手が空いているという理由だけでメンバーをアサインしてしまうと、結果として本業務に不向きな人が担うことになる可能性があるため、注意しましょう。
施策の決定
マーケティングメンバーが決まったら、設定されたゴールや目標を達成するための戦略を決めます。具体的には「人」「モノ」「費用」をどのように配分するかを検討してください。フレームワークを活用すると、必要な要素を過不足なく分析することができます。
Customer(市場・顧客)・Company(自社)・Competitor(競合)の3つのCを分析する3C分析や、強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)の4つの要素の頭文字からなるSWOT分析、Product(製品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(販促)の4つのPを分析する4P分析などのフレームワークを使うと具体化しやすいです。
ペルソナの設定
マーケティング施策を検討する際は、ターゲット層を細かく設定してください。これがペルソナ設定です。ペルソナは年齢、家族構成、趣味嗜好など幅広い視点から検討することが大事です。さらに、ペルソナが購入するまでの流れであるカスタマージャーニーを作成すると、具体的なイメージがわいてきます。
コンテンツ制作
ペルソナが、カスタマージャーニーに沿って行動できるようなコンテンツを制作します。どのように訴求すると見込み顧客が購入してくれるのか、筋道を立てた構成からコンテンツを作ってください。
業務フローを決める
マーケティングのオートメーション化には、マーケティングチームだけではなく、営業部門やシステム部門、サポート部門など、あらゆる部署との連携が重要です。ツールの導入前に、「誰が」「何を」「いつまでに」「どれくらい」で実施するのかを明確にしましょう。
まとめ
マーケティングの自動化には、業務の効率化だけでなく、自社のブランド価値向上や、マーケティング施策の効果を正確に検証できるなどのメリットがあります。まずは、自社のマーケティング施策のゴールを設定し、コストやリソースに配慮することも大切です。定型化された業務には、AIやRPAを導入するのもよいでしょう。
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